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自主トレが続かないのは、あなたのせいじゃない ― 理学療法士として思うこと

コラム
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「家でやってみてくださいね」

そう言われて、その場ではうなずいたのに、いざ家に帰るとできなかった。気づけば何日も経っている——そんな経験、ありませんか。

やろうと思っていたのに、テレビをつけたら動けなくなった。一日の終わりはくたくたで、それどころじゃなかった。まとまった時間なんて、そもそも取れない。そして正直に言えば、その運動、やっていてちょっと辛い。

「自分は意志が弱いのかな」——そう思って、自分を責めていませんか。

申し遅れました。はるとです。理学療法士として7年、整形外科の現場で体の痛みを診てきました(認定マッケンジーセラピスト/Cred. MDT)。今日は、少し正直な話をさせてください。


続かないのは、本人のせいばかりじゃない

たくさんの方に自主トレをお伝えしてきて、私自身が強く思うことがあります。それは、自主トレが続かないのは、本人のせいばかりじゃない、ということです。

むしろ、伝える側——つまり私たちの説明に、原因があることも少なくありません。

やり方の説明が、分かりにくかった。本人がちゃんと理解できているか、こちらが確かめられていなかった。「ここまで動かして」「この角度で」と、覚えてもらうポイントが多すぎて、家に帰るころには忘れてしまう。

これは、受け取る側の問題ではなく、渡す側の問題です。だから私は、「やってこなかった人」を見ると、まず自分の伝え方を疑うようにしています。

もしあなたが、過去に「自主トレが続かなかった」経験があるなら。それは意志の弱さではなく、やり方や量が、あなたに合っていなかっただけかもしれません。まず、そこを分かっておいてほしいんです。


「続かない」のは、自然なこと

自主トレが続かない理由を、現場でよく聞きます。

家にいると、誘惑が多い。一日の終わりは疲れていて、動けない。決まった場所に行かないと、できない。時間がない。そして、運動そのものが辛い。

——どれも、よく分かります。そして、どれも「意志が弱いから」ではありません。人は誰でも、疲れていれば休みたいし、辛いことは避けたい。それはごく自然な反応です。

だから、続かなかったとき、自分を責める必要はありません。責めても続くようにはならないし、むしろ「またできなかった」という気持ちが、次のハードルを上げてしまいます。


続く人は、意志が強いんじゃない

一方で、無理なく続けられる人もいます。その人たちを見ていて思うのは、続く人は、意志が強いのではなく、”続く仕組み”を持っている、ということです。

たとえば、こんな共通点があります。

一日のどこでやるかを、先に決めている。「朝、歯を磨いたあとにやる」というふうに、生活の流れに組み込んでいる人。一度やってみて「少しラクになった」という成功体験があって、それが次のやる気になっている人。「これ以上、痛みを増やしたくない」という、はっきりした理由がある人。「またあの旅行に行きたい」「孫を抱っこしたい」といった、変わりたい目標がある人。

共通しているのは、根性ではなく、“やる理由”と”やる仕組み”がはっきりしていること。逆に言えば、そこさえ整えば、意志の強さは関係ないんです。


だから、こう考えてみてほしい

では、どうすればいいか。私が患者さんにお伝えするとき、大事にしていることがあります。

その人の生活・性格に合わせること。 誰にでも同じメニューを渡すのではなく、いつ・どこで・どれくらいなら無理なくできそうか、を一緒に考えます。運動の”正しさ”より、”続けられるかどうか”を優先することもあります。

欲張らないこと。 「あれもこれも」ではなく、まずは一つ。「1日1回、これだけ」に絞る。覚えることが少ないほど、続きます。物足りなく感じるくらいで、ちょうどいいんです。

やる場面を決めること。 「気が向いたら」ではなく、「お風呂上がりに」「寝る前に」と、きっかけになる行動とセットにする。そうすると、思い出す手間が減ります。

つまり、頑張って続けるのではなく、頑張らなくても続く形に、先に整えておく。 これが、遠回りのようで一番の近道です。


最後に

もし今まで、自主トレが続かなかったとしても、どうか自分を責めないでください。

続かなかったのは、あなたの意志が弱いからではありません。やり方が多すぎたのかもしれない。量が合っていなかったのかもしれない。あるいは、続く仕組みが、まだ整っていなかっただけかもしれません。

あなたに合う形は、必ずあります。一つずつ、無理のないところから。それで十分です。


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