その頭痛、肩こりが原因かも?緊張型頭痛の仕組みとセルフケア|理学療法士が解説

首・肩こり

この記事は理学療法士歴7年・認定マッケンジーセラピスト(Cred. MDT)が執筆しています。

はじめに

「夕方になると頭が重くなる」

「肩こりと一緒に頭痛が出る」

「頭痛薬を飲んでも繰り返してしまう」

このような悩みはありませんか?

実際に外来診療やリハビリの現場でも、デスクワーク後に頭痛が出る、首や肩のこりが強い、長時間のパソコン作業で悪化する、という相談を受けることは少なくありません。

その頭痛は、「緊張型頭痛」かもしれません。

緊張型頭痛は日本人に最も多い頭痛と言われており、肩こりや首こりと関係していることも少なくありません。

この記事では理学療法士の視点から、緊張型頭痛とは何か、なぜ起こるのか、自分でできるセルフケア、医療機関を受診した方が良いケースについてわかりやすく解説します。

まずはセルフチェック

以下に当てはまるものはありますか?

  • 頭全体が締め付けられるように痛む
  • 肩や首のこりを感じる
  • デスクワーク後に悪化する
  • 身体を動かしても痛みが強くならない
  • 吐き気はほとんどない
  • 夕方になると症状が強くなる

3つ以上当てはまる場合は、緊張型頭痛の可能性があります。

※あくまで目安であり、診断ではありません。

緊張型頭痛とは?

緊張型頭痛は、頭の周囲や首・肩の筋肉が緊張することで起こると考えられている頭痛です。

頭痛の中では最も頻度が高く、生涯で約30〜70%の人が経験するとされています。

特徴としては、頭を締め付けられるような痛み、頭が重い感じ、首や肩のこりを伴う、ことが多くあります。

なぜ緊張型頭痛が起こるのか?

緊張型頭痛にはさまざまな要因があります。

原因① 長時間同じ姿勢

デスクワークやスマートフォンの使用が続くと、首や肩の筋肉が緊張し続けます。

特に30〜60分以上同じ姿勢が続くと、筋肉への負担が増えやすくなります。

その結果、首や肩の筋肉が硬くなり、頭痛につながることがあります。

なお、デスクワークによる首・肩の負担については、デスクワークで首・肩が痛くなる原因でも詳しく解説しています。

原因② ストレスや精神的緊張

緊張型頭痛は、身体的な負担だけでなく、心理的ストレスとも関係しています。

例えば、仕事のプレッシャー、人間関係、睡眠不足など。

ストレスを感じると、無意識に肩へ力が入り、首や肩の筋肉が緊張しやすくなります。

原因③ 運動不足

運動不足が続くと、筋肉の柔軟性や血流が低下しやすくなります。

その結果、首や肩周囲の筋肉が疲労しやすくなり、頭痛につながることがあります。

また、頭痛が長く続いて慢性化すると、痛みを感じる神経そのものが過敏になる「中枢性感作」と呼ばれる状態が関わるとも考えられています。

臨床で感じること

私自身の臨床経験では、「仕事が忙しい時期に頭痛が悪化する」という方を多く経験します。

特に、デスクワーク中心、首や肩のこりが強い、運動習慣が少ない、という方では、頭痛と肩こりが同時に起きていることも少なくありません。

また、休日になると軽減するケースもあり、日常生活の負担やストレスが関係していることが考えられます。

緊張型頭痛と片頭痛の違い

項目緊張型頭痛片頭痛
痛み方締め付けられるような痛みズキズキ脈打つ痛み
部位頭全体片側が多い
強さ軽度〜中等度中等度〜重度
運動時悪化しにくい悪化しやすい
吐き気少ない伴うことがある
光や音あまり影響しない敏感になることがある

自己判断だけで決めつけず、不安な場合は医療機関へ相談しましょう。

今日からできるセルフケア3選

① 1時間に1回は姿勢を変える

同じ姿勢を続けないことが大切です。

立ち上がる、軽く歩く、背伸びをする、だけでも十分です。

② 首を軽く後ろへ引く運動(リトラクション)

デスクワークで頭が前に出ている人におすすめです。

顎を軽く引き、これ以上引けないところ(最終域)まで真後ろへ引いて、軽く戻します。これを10回程度繰り返します。

マッケンジー法では、この最終域まで動かすことが症状の改善につながると考えられています。

※痛みが強くなる場合は中止してください。

頭が前に出る姿勢が気になる方は、ストレートネックを自分で改善する方法もあわせてご覧ください。

③ 軽い有酸素運動

ウォーキングなどの軽い運動は、ストレス軽減や血流改善につながります。

1日20〜30分程度、会話できる程度の強度を目安にしましょう。

医療機関へ相談した方が良いケース

以下の場合は早めの受診をおすすめします。

  • 今まで経験したことがない激しい頭痛
  • 突然発症した頭痛
  • 手足のしびれや麻痺
  • ろれつが回らない
  • 発熱を伴う
  • 徐々に悪化している
  • 頭痛で夜間に目が覚める

これらは脳血管疾患など、別の病気が隠れている可能性があります。脳神経外科や脳神経内科への相談を検討しましょう。

まとめ

緊張型頭痛は、長時間同じ姿勢・ストレス・運動不足などが関係して起こることがあります。

大切なのは「頭痛薬だけに頼ること」ではなく、「日常生活の負担を見直すこと」です。

まずは、1時間に1回身体を動かす、首や肩の負担を減らす、軽い運動を取り入れる、ことから始めてみましょう。

小さな習慣の積み重ねが改善につながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 緊張型頭痛は自然に治りますか?

A. 一時的なものであれば改善することもありますが、生活習慣やストレスが関係している場合は繰り返すことがあります。

Q. マッサージは効果がありますか?

A. 一時的に楽になることはありますが、姿勢や生活習慣を改善しなければ再発することもあります。

Q. ストレートネックは関係ありますか?

A. 頭が前に出る姿勢は首や肩への負担を増やし、緊張型頭痛に関係する可能性があります。

関連記事

参考文献

  • 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修. 頭痛の診療ガイドライン2021. 医学書院; 2021.
  • Headache Classification Committee of the International Headache Society (IHS). The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition. Cephalalgia. 2018;38(1):1-211.
  • Bendtsen L. Central sensitization in tension-type headache. Cephalalgia. 2000;20(5):486-508.

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